🧠 知っておくだけで変わる作業効率＆集中力UPの秘訣！～学習や作業効率を上げるための基礎知～

🧠 知っておくだけで変わる作業効率＆集中力UPの秘訣！～学習や作業効率を上げるための基礎知～

勉強する時や仕事をする時にうまく集中できない、取り組んではいるのに効率が悪いなどの悩みを抱えている方は多いと思います。
就労継続支援事業所である「スマイルラボ」での業務や作業においても「なかなか集中できない」「すぐに気が散ってしまう」という問題は個人の特性に関わらず、様々な人にとって課題となっています。

本記事では作業効率や集中力UPのための基礎知識として脳機能と集中力の部分に焦点を当てた記事になります。

私たちの脳がどのように集中するか脳の機能を知り、集中力に関わる機能を日常的な例を通してわかりやすく解説します。

脳の機能と集中力：脳の「司令塔」を理解しよう

• 　前頭前野を支える主要な脳部位

集中力にかかわる３つの重要な知識

• 1. ワーキングメモリ（Working Memory）

• 2. 選択的注意（Selective Attention）

• 3. 記憶の固定化（Memory Consolidation）

まとめ

• 3つの知識を活かすために

集中力の要！脳の司令塔「前頭前野」とは？

皆さんは「右脳が活発な人は芸術に向いている」、「左脳が活発な人は論理的だ」といった話を聞いたことはありませんか？

これらは直観やひらめきを得意とする機能が右脳に固まっていたり、逆に左脳には論理的な思考を処理する機能があることでそのようにいわれています。

これは右脳と左脳といった違いだけではなく私たちの様々な能力も同様です。

このように脳の部位によって機能を分担しそれぞれの役割をもつことを「機能局在」と呼びます。

本記事では集中力をテーマにしていますが、
集中力も脳の役割分担によって我々の生活を支えています。
その中でもっとも重要な部位が「前頭前野」と呼ばれる部位になります。

前頭前野とは、集中力、意思決定、思考、計画を司る脳の重要な部位です。人間の脳の中でも特に高度な機能を担っており、「脳の司令塔」と呼ばれます。私たちはこの部位の働きによって、目標を設定し、外部からの情報に惑わされることなく、目の前のタスクに集中し続けることができます。」

しかし、前頭前野が単独で集中力をコントロールしているわけではありません。前頭前野は、次に説明する他の脳部位と連携して、私たちの注意や記憶を巧みに操っています。

集中力にかかわる３つの重要な知識

1. ワーキングメモリ（Working Memory）

皆さんは電話番号を電話口で聞き取るときに11桁すべて聞いてからではなく、

「0X0」「1234」「5678」といったように分けて復唱することが多いと思います。

この理由は単純に覚えられないや確認のためといったものがありますが、

これは集中力にかかわる脳の機能として「ワーキングメモリ」といった要素が関係しています。

ワーキングメモリとは、作業に必要な情報を一時的に頭の中に保持し、処理する脳の機能です。例えるなら、「脳の作業台」のようなものです。この機能が働くとき、主に脳の前頭前野と**頭頂葉（とうちょうよう）**が連携して活動しています。

精神疾患や神経疾患を中心に治療、研究を行う国立精神・神経医療研究センターhttps://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/rinshoshinri/rinshoshinri_blog20220228-1.htmlによると、ワーキングメモリは、会話の内容を理解したり、論理的な思考を組み立てたりする際に不可欠な機能であるとされています。この作業台の容量には限りがあるため、あれもこれもと一度に多くの情報を詰め込むと、情報がごちゃごちゃになり、処理が追いつかなくなります。また記事内には発達障害のADHD（注意欠陥・多動症）の方にはワーキングメモリが上手く機能していないことも示されています。
ADHD（注意欠陥・多動症）については別記事　にて解説しています。
気になる方はそちらをご覧ください。

ワーキングメモリはよく机の上やまな板などに例えられることが多いです。

野菜をまな板の上に置く（情報が入ってくる）

↓

野菜を切ったり食べれないところは捨てたり（情報を処理する）

こういった流れが私たちの脳内では行われています。

例えばたくさんの野菜を同時にまな板に置いたり、調理に必要のないものがまな板にあると野菜（情報）を処理するのが難しくなると思います。

ではうまく情報を処理するためにはどのようにすればよいでしょうか。

そもそもワーキングメモリは個人差がありますが、後天的なトレーニングによって鍛えることが可能とされています。

しかし鍛えるといっても1日や2日で容量が増えることは難しいです。

そこで最初の電話番号の復唱の話になります。

電話番号の桁数を例に挙げてみましょう。
電話番号（xxx-xxxx-xxxx）の11個の数字を一度に覚えるのは無理ではないかもしれませんが困難な方が大半だと思います。
この場合、電話番号を11個の数字としてではなく、いくつかの固まりに分けて覚えてみることが良いとされています。

例として挙げた電話番号の場合はハイフンごとに一塊として復唱することや、

一昔前のテレビCMでは音楽やリズムに合わせて視聴者に覚えてもらいやすくしたりしていた様な形で11桁の数字としてではなく覚えやすいようなまとまりを作ることが重要です。

このまとまりのことをチャンクといい、
チャンクを意識し活用することでワーキングメモリの負担を減らし、作業の効率を上げることができます。

これは電話番号だけではなく様々な日常生活に応用できます。
例えば、指示を受けた際はワーキングメモリに収まるようメモをとりながら指示を聞く、
覚えないといけないことや暗記の際はまとまりを作り脳の情報処理機能をうまく活用することが重要です。

引用元: 国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」

2. 選択的注意（Selective Attention）

仕事のオフィスや教室でほかの様々な人の話し声や物音の中、自分が話している相手だけの声を上手く聞き取り会話を行う。
これはほとんどの方が無意識に行っていることだと思いますが、

こういったように普段行っていることも集中力に関わる機能によるものだったりします。

これは心理学では「カクテルパーティ効果」といい、騒がしい場所でも、自分が興味のある会話だけを聞き分けることができる現象のことで、後述する選択的注意という機能に大きく関わる現象です。

選択的注意とは先ほど出した例のほかにも、私たちの脳は、常に多くの情報にさらされています。部屋の雑音、外の車の音、スマートフォンの通知……。これらの情報の中から、特定の情報だけを選び出して集中する能力が選択的注意です。

集中力は「特定の情報に意識を向ける選択的注意の機能」であるとされており、
このことから選択的注意の機能が集中するために重要であることはわかると思います。

選択的注意を日常に活かすためには、
作業環境の調整が重要になると思います。
これまで説明してきた通り、選択的注意は重要な情報を受け取れるように取捨選択していますが、これは同時に脳に負担をかけていることにもなります。
作業の際机の上に見える場所で作業とは関係ないものをおいていると集中の妨げになってしまうのと同じように、見えるものだけではなく音や温度などの知覚できる様々な情報が集中の妨げになってしまいます。
脳の負担を減らすのと同時に作業に効率よく取り組めるよう作業環境の見直しをしてみましょう。

引用元: 厚生労働省「e-ヘルスネット」

3. 記憶の固定化（Memory Consolidation）

新しい情報やスキルは、学習後すぐに脳に定着するわけではありません。学習した内容が長期的な記憶として脳に整理・統合されるプロセスを記憶の固定化と呼びます。

記憶は感覚器官が受け取ったばかりで情報が処理されていない感覚運動記憶、それらを認知し一時的な記憶の保管をする短期記憶、短期記憶を長期的な保管が可能な長期記憶に移行することで覚えておくことができます。

そのため、この記憶の固定化の章では情報やスキルを長期記憶への移行が重要となります。
ではどのようにすれば効率的に記憶の固定化をすることができるでしょうか。

ここでの重要なキーワードとして「精緻化リハーサル」と「分散学習」があります。

リハーサルとは覚えたい情報を繰り返し取り込むことをさします。
英単語の暗記をするときに単語帳を何度も繰り返しみた経験がある方は多いと思いますが、

これもリハーサルの一種です。

しかし、ただ単に闇雲に繰り返すのではなく、記憶したい内容に意味を持たせたり、元々知っている知識と組みあせたりすることで記憶の定着がしやすくなります。
これを「精緻化リハーサル」といいます。

逆に何度も同じ内容を繰り返すことを「維持リハーサル」といい、

これは1.ワーキングメモリにも登場した電話番号の復唱のような形で短期記憶の維持に向いています。

次に分散学習とは、（英単語100を一日10個ずつ覚えるなどのように学習の時間や内容を小分けすることで長期記憶への定着をしやすくする学習法になります。

記憶の定着化のプロセスは特に休憩中や睡眠中に活発に行われ、脳の海馬（かいば）が重要な役割を果たします。海馬は、新しい情報を一時的に保管する「仮の保管庫」のような働きをし、その情報を大脳新皮質という長期記憶を司る選択的注意」の機能部位に転送します。

この定着のプロセスがあるため、集中的な練習よりも分散させたほうが良いということになります。

引用元: J-STAGE（科学技術情報発信・流通総合システム）

まとめ

いかがでしょうか。
本記事では「知っておくだけで変わる作業効率＆集中力UPの秘訣！学習や作業効率を上げるための基礎知識～脳の機能と集中力編～」というテーマで、
脳の機能や集中力に重点を置いた解説を行いました。

重要なのは今日学んだことが日常にどれだけ関わっているかと自分の限界を知ることです。
この限界を知ることで次回の応用編が理解しやすく取り込みやすくなります。

基礎知識をしっかりつけて集中力UPを目指しましょう。

心や身体の問題があって一般就労が難しいと思って働けない方いませんか？

私たちスマイルラボは就労継続支援A型＆B型事業所を運営しています。
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私たちスマイルラボでは本記事のテーマである集中力の問題も、仕事内容、環境、職員によるヒアリングなどの様々な角度からみなさんが自分らしく働ける事業所作りを目指しております。

また、就労継続支援A型＆B型事業所について詳しく知りたい方はこちらでも解説しています。