ADHD（注意欠如・多動症）とは？特性の理解と生きづらさを減らすための対策

2025.11.15
カテゴリー：ADHD,お役立ちコラム

**ADHD（Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder：注意欠如・多動症）**は、**発達障害（神経発達症）**の一つです。生まれつきの脳機能の特性により、「注意」「行動」「感情」のコントロールに困難が生じ、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します。

ADHDの特性は主に以下の3つに分類され、症状の現れ方によって「不注意優勢型」「多動・衝動優勢型」「混合型」に分けられます。

集中力の維持や気が散るのを防ぐことが難しい特性です。大人になると特に困りごととして顕在化しやすい傾向があります。

じっとしていることが難しく、過剰に活動してしまう特性です。

考えずにすぐ行動に移したり、感情を抑えたりすることが難しい特性です。

目ざせ‼二次障害の予防成功体験の積み重ねによる自信の回復、生きづらさの軽減

ADHDは、本人の努力不足や怠慢、また親の育て方やしつけの問題ではなく、生まれつきの脳の特性が原因で起こると考えられています。

特性による失敗体験（忘れ物、遅刻、人間関係のトラブルなど）を繰り返すことで、自己肯定感が低下し、うつ病や不安障害といった二次障害を併発してしまうことも少なくありません。この「生きづらさ」を軽減し二次障害を予防することが、ADHDの支援において最も重要です。

ADHDの困難を乗り越えるためには、特性に合わせた環境調整と専門的な支援が必要です。

外部刺激の遮断: 集中が必要な作業では、パーテーションや耳栓（ノイズキャンセリング機能など）を活用し、気が散る原因を減らす。
視覚化とツール活用: 忘れ物や時間管理の苦手さには、リマインダーアプリやチェックリスト、カレンダーアプリを徹底的に活用し、物事を「見える化」する。
ルーティーン化: 毎日の準備やタスクをリスト化し、決まった順序で行う習慣をつける。

医療機関への相談: 精神科や心療内科を受診し、適切な診断を受けることが最初の一歩です。
薬物療法: 医師の判断に基づき、症状の改善や集中力の向上を目的とした薬物療法が有効な場合があります。
心理社会的治療:
- 認知行動療法（CBT）： 自身の思考や行動のパターンを知り、困難な状況への対処法を身につける。
- ソーシャルスキルトレーニング（SST）： 対人関係や社会生活に必要なスキルを練習する。