ストレスは「我慢」するものではなく「管理」するもの。心が折れる前に身につけたい『ストレスマネジメント』の基礎技術
2026.01.28カテゴリー:うつ病
ストレスは「我慢」するものではなく「管理」するもの。心が折れる前に身につけたい『ストレスマネジメント』の基礎技術
「ストレス」という言葉を聞くと、「なくさなければならない悪いもの」と思っていませんか?
実は、ビジネスやスポーツの世界では、ストレスは「なくすもの」ではなく、**「上手に付き合い、管理(マネジメント)するもの」**と考えられています。
ストレスをゼロにすることは、生きていく上で不可能です。
大切なのは、風船が割れてしまう前に、空気を抜く技術を持つこと。
今回は、ビジネススキルとしても重要な**「ストレスマネジメント」**の基礎と、今日から使える具体的なテクニックについて解説します。
1. ストレスマネジメント(ストレスとの上手な付き合い方)とは?
ストレスマネジメントとは、ストレスとうまく付き合い、心身の健康を保ちながら本領を発揮するための「技術」です。
まず、ストレスの仕組みを理解しましょう。
心理学では、ストレスを以下の2つに分けて考えます。
- ストレッサー(原因):上司、満員電車、暑さ寒さ、残業など。
- ストレス反応(結果):イライラ、不眠、胃痛、憂鬱など。
「ボール(心)」を「指(ストレッサー)」で押すと、ボールが歪みます(ストレス反応)。
指を離せばボールは元に戻りますが、ずっと押し続けたり、力が強すぎたりすると、ボールは元に戻らなくなってしまいます。
そうならないように調整することが、ストレスマネジメントです。

2. 二つのアプローチ(解決か、癒やしか)
ストレスに対処することを「コーピング」と呼びますが、大きく分けて2つの攻め方があります。
① 問題焦点型(原因そのものを何とかする)
ストレッサー(原因)に直接働きかけて、解決を目指す方法です。
- 例:仕事量が多すぎる → 上司に相談して分担を見直してもらう。
- 例:人間関係が辛い → 部署異動を願い出る、距離を置く。
- 効果:根本解決になりますが、自分の力ではどうにもならない場合(相手の性格など)には使えません。
② 情動焦点型(受け止め方や気分を変える)
原因はそのままにして、自分の辛い気持ち(情動)を和らげる方法です。
- 例:愚痴を聞いてもらう。
- 例:カラオケや運動で発散する。
- 例:「これは成長のチャンスだ」と捉え方(認知)を変える。
- 効果:即効性があり、どんな状況でも使えます。
重要なのは、この2つを「使い分ける」ことです。
どうにもならないことに「問題焦点型」で挑むと疲弊しますし、解決できることを「情動焦点型(我慢)」だけで済ませていると、いつまでも状況は良くなりません。
3. 具体的な実践テクニック「3つのR」
ストレスマネジメントでは、以下の「3つのR」を意識して休息をとることが推奨されています。
- Rest(レスト):休息
- 体を休めること。睡眠、昼寝、何もしない時間。
- 「ガス欠」の状態には、まずこれが必要です。
- Relax(リラックス):安らぎ
- 神経を休めること。深呼吸、アロマ、入浴、マッサージ。
- 副交感神経を優位にして、緊張をほぐします。
- Recreation(レクリエーション):楽しみ
- 気晴らし。旅行、趣味、スポーツ。
- 活性化させてリフレッシュします(※元気がある時向け)。
4. おすすめワーク:「コーピングリスト」を作ろう
ストレスを感じた時に、「えーっと、何をすればいいんだっけ?」と考えている余裕はありません。
そこで、**「自分だけのストレス解消法リスト(コーピングリスト)」**を事前に作っておくことをお勧めします。
質より量です。10個、できれば50個書き出してみてください。
- 好きなコーヒーを飲む
- トイレで深呼吸する
- 推しの動画を見る
- 帰り道にコンビニスイーツを買う
- 友人にLINEする
- 空を見上げる
そして、イライラした時に**「実験」**だと思って一つずつ試します。
「今日はコーヒーではダメだったけど、動画を見たらスッキリした」
自分に何が効くかを知っているだけで、「私にはこれがあるから大丈夫」という自信(自己効力感)につながります。
まとめ:助けを求めることも「マネジメント」です
真面目な人ほど、「自分でなんとかしなきゃ」と抱え込んでしまいます。
しかし、ストレスマネジメントにおいて最も高度で重要なスキルは、**「ソーシャルサポート(周囲の助け)を得ること」**です。
「辛いです」「手伝ってください」と言えることは、甘えではなく、自分の潰れを防ぐための立派なリスク管理能力です。
管理不能になる前に、小さなストレスのうちにこまめに空気を抜く。
それが、長く働き続けるためのプロの秘訣です。
※豆知識: 今回ご紹介した「ものの受け取り方を変える」「行動を工夫して気分を変える」という方法は、カウンセリングの現場で使われる**「認知行動療法(CBT)」**という心理療法を参考にしています。ご興味を持たれた方は、「認知行動療法」で検索していただくと、コンテンツがたくさん出てきます。
~専門的に認知行動療法の治療を受けたい方へ~
受診される前に必ず知っておいていただきたい重要な点が2つあります。
- 「保険適用」か「自費」か
- 医師による認知行動療法:保険が適用されますが、実施できる医師や施設が非常に少なく、予約が数ヶ月待ちになることが多いです。
- カウンセリング(心理士)による認知行動療法:多くのクリニックで行われていますが、**「自費(1回5,000円〜1万円程度)」**となるケースが一般的です。
- リワーク(復職支援)プログラム:休職中の方を対象に、集団で行う認知行動療法です。これは保険適用で受けられることが多く、実用的です。
- 予約制
- 心療内科は現在どこも混み合っており、初診は予約制が基本です。必ず電話で「認知行動療法を受けたいです」と伝えてください。
探し方のコツ(検索キーワード)
以下のキーワードの組み合わせで検索し、HPを確認してみてください。
- 「大阪市(または堺市、〇〇市) 心療内科 認知行動療法」
- 「大阪 リワーク 保険適用」(※休職中の場合)
- 「堺市 臨床心理士 カウンセリング」
まずは「通いやすさ」を優先してください
認知行動療法は、1回行って終わりではなく、数ヶ月〜半年ほど通って練習していくものです。
<認知行動療法が向いている人、向いていない人>

Q.認知行動療法は、心が健康な人か、うつ病の寛解期の人に向いていて、今まさにうつ病の人、精神障害者手帳を持つレベルの人には向かないと思われるのですがいかがでしょうか。
A.教科書的には「うつ病に効く」と書かれていますが、実際の現場感覚としては、**「重度のうつ状態」や「脳が働かない状態」の時に、本格的な認知行動療法(特に考え方を変える作業)を行うことは困難であり、場合によっては逆効果(負担になる)**です。
おっしゃる通り、認知行動療法は「ある程度、脳のエネルギーが残っている人」でないとこなせません。
その理由と、症状の段階による「使い分け」について解説します。
1. なぜ「重度のうつ」の人には向かないのか?
認知行動療法(特に「認知再構成法」という、考え方を見直す技法)は、脳の理性を司る部分をフルに使います。
- 今の考え方を客観視する
- 別の視点を探す
- 紙に書き出す
これらは非常に高度な知的作業です。
しかし、うつ病の急性期(一番悪い時期)や重度の方は、脳が炎症を起こしているような状態で、**「思考停止」「判断力の低下」**が起きています。
骨折して歩けない人に「リハビリのために走れ」と言うのが無理なように、脳が動かない人に「考え方を変えろ」と言うのは酷であり、できない自分を責めて悪化させるリスクがあります。
2. 段階別の「正しい治療法」
治療の現場では、患者さんのエネルギー残量に合わせて、以下のように使い分けます。
① 急性期・重度(手帳レベルの不調時)
- 状態:眠れない、食べられない、死にたい、頭が回らない。
- 治療:「休息」と「薬物療法」が絶対優先です。
- 認知行動療法:やりません。
- やるとしても、「トイレに行く」「着替える」といった、ごくごく低レベルの**「行動活性化(後述)」**のみです。思考(考え方)には触れません。
② 回復期・中等度〜軽度
- 状態:薬が効いてきて、少し動けるようになった。散歩ができる。本が読める。
- 治療:ここで初めて**「認知行動療法」**の出番が来ます。
- 目的:社会復帰した時に再発しないよう、「ストレスを受け流す技術」を身につけるためです。
③ 寛解期・健康な人(予防)
- 状態:普通に生活できる。
- 治療:**「セルフケア」**としての認知行動療法。
- 目的:より生きやすくするため、パフォーマンスを上げるため(ビジネスマンのメンタルトレーニングなど)。
3. ただし、重度でも使える「例外」があります
「認知行動療法=考え方を変える」と思われがちですが、実は**「行動」だけに焦点を当てる技法もあります。これを「行動活性化療法」**と言います。

これは、重度の人に対しても、以下のようなレベルで行われます。
- 「考えなくていいから、午前中にカーテンだけ開けてみよう」
- 「顔だけ洗ってみよう」
- 「できたら『自分、すごい』と褒めよう」
これなら、脳のエネルギーが少なくても可能です。「できた」という小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ脳を動かしていく手法です。これも広義の「認知行動療法」に含まれます。
結論
質問者様のお考えの通りです。
「明日が来るのが怖くて眠れない」ほど追い詰められている最中の人や、**「精神障害者手帳を持つレベルで生活に支障が出ている人」**に対して、
「考え方を変えれば楽になるよ(認知行動療法)」
と勧めるのは、タイミングとして間違っています。
その段階の人に必要なのは、**「考えることの放棄(休息)」と「医師による投薬・保護」**です。
認知行動療法は、あくまで**「ある程度ガソリンが入ってから、運転技術を学ぶ教習所」**のようなものだとお考えください。
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