障害者として生きる。生きるためには… 働くことは重要障害者と就労一緒に考えてみましょう

障害と共に生きるあなたの「働きたい」を支える！就労支援の全体像と自分らしい働き方の見つけ方

2025.12.02
カテゴリー：お役立ちコラム,就労継続支援A型,就労継続支援B型

障害と共に生きるあなたの「働きたい」を支える！就労支援の全体像と自分らしい働き方の見つけ方

🌟 はじめに：障害者として「働く」ことへの希望と不安

「障害者として、自分に合った仕事は見つかるのだろうか？」

「仕事がなかなか続かないのは、自分の努力不足ではないか…」

もしあなたが、障害を抱えながら働くことについて、希望と不安の両方を感じているなら、ご安心ください。障害を持つ人々が社会参加し、自分らしい働き方を見つけることは、今や特別なことではなく、社会全体でサポートすべき大切なテーマとなっています。

この記事では、障害のある方が「働く」という目標を達成するために利用できる公的な支援制度の全体像と、私たち**就労継続支援事業所「スマイルラボ」**がどのようにあなたの毎日を支えるのかを、詳しく解説します。

Ⅰ. 障害者支援の土台：法律と手帳の役割

障害者としての就労支援や福祉サービスは、国の法律に基づいて提供されています。まずは、その基本となる制度を理解しましょう。

1. 障害者総合支援法と「訓練等給付」

日本の障害福祉サービスの根幹をなすのが「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律（障害者総合支援法）」です。

この法律に基づき、就労を目指す人への支援は「訓練等給付」というサービスとして提供されています。私たちが提供する「就労継続支援」も、この訓練等給付の一つです。

2. 障害者手帳の役割と取得への抵抗

就労支援や福祉サービスを利用する上で、「障害者手帳（身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳）」の所持は原則となりますが、手帳取得に抵抗を感じる方は少なくありません。

手帳取得への抵抗の理由: 「障害者と認定されることへの抵抗」「将来の差別への不安」「家族の反対」などが主な理由です。
手帳のメリット: 手帳は「障害者と認める証明書」ではなく、「必要な支援を受けるための利用券」だと捉えましょう。税金の控除、公共交通機関の割引、そして何よりも障害者雇用枠での就職という、特性に合った働き方への道が開かれます。
手帳がなくても利用できるサービス: 精神科への通院を証明する「自立支援医療受給者証」や「医師の意見書」があれば、手帳がなくても就労継続支援の利用を検討できる場合があります。手帳がなくても、まずはご相談ください。

Ⅱ. 「働く」を支える就労支援サービスの全体像

障害のある方の就労支援サービスは、目的や働き方によって大きく3つに分かれています。どのサービスがあなたに合っているかは、あなたの現在の体調と将来の目標によって異なります。

1. 就労移行支援：一般就労を目指すための「訓練期間」

項目	特徴	どんな人におすすめ？
目的	一般企業への就職	一般就労を目指す意欲がある方
働き方	雇用契約なし（訓練）	働くためのスキルや自信を身につけたい方
期間	原則2年間	集中的に就職活動の準備をしたい方

2. 就労継続支援A型：雇用契約を結んで給与をもらう「就労の場」

項目	特徴	どんな人におすすめ？
目的	雇用契約に基づく就労	安定した収入を得ながら働きたい方
働き方	雇用契約あり（最低賃金保証）	体調に合わせた無理のない働き方をしたい方
期間	期限なし	一般就労へのステップアップを視野に入れている方

3. 就労継続支援B型：体調優先で無理なく活動する「リハビリ・訓練の場」

項目	特徴	どんな人におすすめ？
目的	働くための訓練と社会参加	体調に波があり、長時間の勤務が難しい方
働き方	雇用契約なし（工賃支給）	働く練習をしたい、まずは短時間から始めたい方
期間	期限なし	生活リズムの安定を最優先したい方

Ⅲ. スマイルラボが寄り添う障害特性と働く上での課題

私たちスマイルラボのスタッフは、様々な障害特性を持つ方の「働く」をサポートしてきた専門家です。特に、働く上で課題になりやすい特性と、それに対する支援方法を解説します。

精神障害・発達障害それぞれが抱える支援が必要な特性についてまとめました。※あくまでも一般的なもので、実際には個別に抱える事情や特性に応じたものになります。

1. 精神障害（うつ病、統合失調症、双極性障害など）

【働く上での主な課題】

体調の波: 日によって気分や集中力が変動し、安定した出勤が難しい（双極性障害、統合失調症、適応障害など）。
睡眠障害: 薬の副作用や病状の影響で、朝起きるのがつらい、日中に眠気が強い（うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害など）。
再発への不安: 頑張りすぎると再発するのではないかという恐怖心がある。

【スマイルラボの支援】

柔軟な勤務調整: 週2日、1日3時間といった短時間からのスタートや、体調不良時の休憩を優先する配慮を徹底します。
生活リズムの土台作り: 毎日定時に通所することで、生活リズムを整え、薬の効果を安定させます。
服薬状況の確認: ご本人の同意のもと、お薬手帳にて確認します。

2. 発達障害（ADHD、ASDなど）

【働く上での主な課題】

ADHD（注意欠如・多動症）: 不注意によるミスが多い、時間管理や整理整頓が苦手。
ASD（自閉スペクトラム症）: コミュニケーションの難しさ、環境の変化や感覚過敏への対応の難しさ。
女性の発達障害: 特性を隠そうと頑張りすぎた結果、うつ病などの二次障害を併発しやすい。

【スマイルラボの支援】

作業の視覚化・マニュアル化: 作業手順をイラストやチェックリストで示し、不注意によるミスを防ぎます。
報連相の個別練習: 職場で必要な「報告・連絡・相談」を実際に仕事をしていただく中で丁寧に練習します。
強みを活かす仕事: ルーティンワーク（清掃、データ入力など）や、一つの作業に集中できる環境を提供します。

3. 知的障害（大阪では、A、B１、B２と区分している。自治体により区分方法は異なる）

【働く上での主な課題】

抽象的な指示の理解: 「適当に」「後で」といった曖昧な指示の理解が難しい。
金銭管理: 働いて得た収入の計画的な利用や管理が難しい。

【スマイルラボの支援】

具体的・反復的な指導: 指示は「何を、いつまでに、どうする」と明確に伝え、覚えるまで丁寧に繰り返し練習します。
金銭管理については、お住まいの区の社会福祉協議会をご紹介する形になります。

Ⅳ. 障害者としての就職活動：支援機関の賢い活用術

「働きたい」という目標を実現するために、一つの機関だけでなく、複数の支援機関を連携させて活用することが重要です。

1. ハローワーク（公共職業安定所）との連携

ハローワークは、障害者雇用枠の求人情報を最も多く持つ公的機関です。

専門窓口の活用: ハローワークの「障害者専門窓口」で個別相談を受け、あなたの特性に合った求人を紹介してもらいましょう。

2. 相談支援事業所の活用

福祉サービスを利用するための計画（サービス等利用計画）を作成する専門家です。どのサービスがあなたに最適かを一緒に考えてくれる、心強いパートナーです。

3. 地域障害者職業センターの活用

就職後の職場定着支援（ジョブコーチ支援など）や、より専門的な職業評価を受けたい場合に利用できます。

大阪の場合

住所: 〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町２－４－１１クラボウアネックスビル４F

略称:大阪職リハ（職業リハビリテーションセンターの略）

電話番号: 06-6261-7005

Ⅴ. あなたの不安に寄り添う：スマイルラボができること

働くことへの不安は、仕事内容だけでなく、人間関係、家族の理解、将来の経済的なことなど、多岐にわたります。

不安のテーマ	スマイルラボができるサポート
家族の無理解	ご家族を事業所に招待し、専門家としてあなたの状態や支援の必要性を客観的に説明します。
体調の不安定さ	柔軟な勤務時間調整と、いつでも相談できる環境で、体調の波を安定させます。
昼食の準備	栄養バランスの取れた食事を安価（250円）で提供し、毎日の準備の負担を軽減します。
一人暮らしの夢	働くことで経済的な土台を作り、金銭管理や生活スキルの向上をサポートします。