「過去がフラッシュバックする…」PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?症状・原因と、少しずつ前を向くためのヒント
2025.12.26カテゴリー:精神障害
「過去がフラッシュバックする…」PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?症状・原因と、少しずつ前を向くためのヒント
「もう終わったはずの怖い体験が、昨日のことのように思い出される」
「突然の大きな音にビクッとして、動悸が止まらなくなる」
「**PTSD(ピーティーエスディー)**という言葉を聞いたことがあるけれど、自分もそうなのかもしれない…」
辛い体験をした後、時間が経っても心の傷が癒えず、日常生活に支障が出てしまう状態。それがPTSDです。
もしあなたが今、誰にも言えない苦しみを抱えているなら、まずはその苦しみの正体を知ることから始めませんか?
今回は、**「PTSDとは何か」**という基礎知識から、主な症状、そして回復に向けた第一歩について分かりやすく解説します。
1. そもそも「PTSD」とは?
PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorderの略で、日本語では**「心的外傷後ストレス障害」**と呼ばれます。
強烈なショック体験(トラウマ)が心の大きな傷となり、時間が経過してもその恐怖が薄れず、まるで**「今、その瞬間」にいるかのような恐怖**を感じ続けてしまう心の病気です。
これは決して「心が弱いから」なるものではありません。あまりにも衝撃的な出来事に対し、脳の処理が追いつかず、記憶が整理されないまま残ってしまっている状態なのです。誰にでも起こりうる、脳の防衛反応の一つです。
2. PTSDの主な4つの症状
PTSDの症状は人それぞれですが、大きく分けて4つの特徴があります。
① 再体験(フラッシュバック)
これが最も特徴的な症状です。
- ふとしたきっかけで、トラウマ体験が鮮明に思い出される。
- 悪夢を繰り返し見る。
- その瞬間に戻ったかのように、冷や汗が出たり、震えが止まらなくなったりする。
② 回避・麻痺
恐怖を思い出させるものを無意識に避けようとします。
- 事故現場や、似たような場所に近づけない。
- 事件に関連するニュースや話題を避ける。
- 感情が麻痺し、喜びや悲しみを感じにくくなる。
③ 過覚醒(かかくせい)
神経が張り詰め、常に危険を感じている状態です。
- ちょっとした物音に敏感に反応し、驚く。
- 常にイライラして、怒りっぽくなる。
- 夜、眠れない(不眠)。
④ 認知や気分のネガティブな変化
- 「自分が悪かったんだ」と自分を責め続ける(自責感)。
- 「世界は危険だ」「誰も信用できない」と強く思い込む。
- 今まで楽しめていたことに興味がなくなる。
これらの症状が1ヶ月以上続き、生活に支障が出ている場合、PTSDの可能性があります。
<参考 解離性健忘について>

Q.ショックなことが起こった時の記憶がない、記憶が抜け落ちている、という状態を何と呼びますか?
A.ショックな出来事の記憶が抜け落ちている症状は、専門用語で**「解離性健忘(かいりせいけんぼう)」**と呼ばれます。
解離性健忘(記憶が飛ぶこと)とPTSD(トラウマによるストレス障害)は、**「コインの裏表」**のような非常に深い関係にあります。
一見すると、「記憶がフラッシュバックする(鮮明に思い出す)PTSD」と、「記憶がない(忘れている)解離性健忘」は、正反対の症状に見えるかもしれません。
しかし、実はどちらも**「圧倒的な恐怖から心を守ろうとする脳の防衛反応」**という点では同じ根っこを持っています。
その関係性を分かりやすく解説します。
① 「思い出しすぎる」か「切り離す」かの違い
トラウマとなるような衝撃的な出来事が起きたとき、脳の処理能力は限界を超えます。その時、脳は以下のどちらか(あるいは両方)の対応をとります。
- PTSD(侵入症状):
処理しきれなかった記憶が、整理されないまま脳に残り、ふとした瞬間に**「再体験(フラッシュバック)」**として襲ってくる状態。
→ 「記憶が生々しすぎて、コントロールできない」 - 解離性健忘:
その記憶を受け止めるのは危険だと判断し、意識や記憶の回路を**「遮断」**して、なかったことにする状態。
→ 「記憶を箱に閉じ込めて、鍵をかけた」
②PTSDの中に「解離」が含まれることが多い
実は、PTSDの診断基準(DSM-5)には、**「解離型(かいりがた)」**というサブタイプ(分類)が存在します。
これは、PTSDの症状(悪夢や動悸など)を持ちながら、同時に「離人感(自分が自分でない感覚)」や「解離性健忘(記憶がない)」を強く持っているタイプのことです。
つまり、**「普段は記憶がなくて(健忘)、何かの拍子にフラッシュバックが起きる(PTSD)」**というように、両方の症状を行き来することは珍しくありません。
③なぜ関係しているのか?(ブレーカーの役割)
家で一度にたくさんの電気を使うと、ブレーカーが落ちますよね。あれと同じです。
- トラウマ(過電流):耐えられないショックが走る。
- 解離性健忘(ブレーカーが落ちる):脳が「これ以上は危険だ!」と判断して、意識や記憶の電源を強制的に切る。
- PTSD(漏電):ブレーカーを上げて生活しようとするが、まだ配線が焦げているため、時々バチッ!と火花(フラッシュバック)が散る。
解離性健忘は、PTSDという「心の火事」の熱さが、これ以上心全体に広がらないようにするための防火壁の役割を果たしているとも言えます。
④ 治療における関係性
この2つの関係性は、治療の進め方にも大きく関わります。
もし、解離性健忘で記憶が守られている状態なのに、無理やりPTSDの治療(トラウマに向き合う治療)を急いでしまうと、「せっかく閉じていた防火壁」を開けてしまうことになります。
その結果、抑え込んでいた恐怖が一気に溢れ出し、症状が悪化する恐れがあります。
そのため、解離性健忘を伴うPTSDの場合、医師は慎重に以下のように判断します。
- 「今は記憶がないままで安定しているから、そっとしておこう(支持的治療)」
- 「生活に支障が出ているから、まずは安心できる環境を作って、少しずつ壁を低くしていこう」
まとめ
解離性健忘とPTSDは、**「恐怖に対する、脳の必死のアクセル(過覚醒)とブレーキ(解離)」**の関係です。
記憶が抜けているのは、PTSDの苦しみを少しでも減らすために、あなたの脳が選んだ**「生き延びるための賢い戦略」**だったのです。
・ なぜ記憶がなくなるのか?(心のブレーカー)
人間の心は、あまりにも強烈な恐怖やショック(トラウマ)を受けると、その苦痛をまともに受け止めたら心が壊れてしまうと判断します。
そこで、脳が緊急停止スイッチを押して、その瞬間の記憶や感情を切り離してしまうのです。
よく**「心のブレーカーが落ちた状態」**と例えられます。
- 全健忘:ある期間の記憶がすべて抜け落ちている。
- 部分健忘:出来事の一部だけが思い出せない。
「記憶がない」だけでなく、ショックな出来事の最中やその後に、以下のような感覚になることもあります。これも「解離」の一種です。
- 離人感(りじんかん):自分が自分じゃないような、幽体離脱して自分を見ているような感覚。
- 現実感喪失:周りの景色が映画やテレビの中の出来事のように感じられ、現実味がない。
- 感情の麻痺:悲しいはずなのに涙が出ない、何も感じない。
・PTSDとの関係
この「解離性健忘」は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)**の症状の一つとしてもよく現れます。
PTSDの診断基準の中には、「出来事の重要な部分を思い出せない」という項目が含まれています。
・無理に思い出そうとしないでください
もし、あなたや身近な方にこの症状がある場合、無理に記憶を掘り起こそうとするのは危険です。
記憶がなくなっているのは、**「今はまだ、その記憶に向き合う準備ができていない」**という脳からのサインです。無理に思い出そうとすると、激しいフラッシュバックが起きたり、精神状態が不安定になったり(パニックなど)する恐れがあります。
どうすればいい?
- 「自分を守ってくれたんだ」と認める
記憶がないことは異常なことではなく、「あの時、心が壊れないように脳が必死に守ってくれたんだ」と捉えてください。 - 専門家に相談する
必要を感じれば、心療内科や精神科の医師、公認心理師などの専門家に相談してください。安心できる環境で、少しずつ心の安全を確保していくことが、結果的に記憶の統合(整理)につながります。
今は「思い出せないままでいい」と、ご自身を許してあげてください。
以上、「解離性健忘」についての説明でした。
次に進みます。
3. PTSDの原因となる出来事

PTSDの原因となるトラウマ体験には、様々なものがあります。
-
- 自然災害:地震、津波、火事、水害など。
- 事故:交通事故、電車事故など。
- 犯罪被害:暴力、強盗、性被害など。
- 虐待・いじめ:子供の頃の虐待(身体的・心理的)、学校や職場での深刻ないじめ・パワハラ。
- 戦争
4. 治療と回復について
「一生治らないのではないか」と不安になるかもしれませんが、PTSDは適切な治療を受けることで回復が可能です。
- 薬物療法:睡眠障害や不安、うつ症状を和らげる薬を使用します。
- 精神療法(カウンセリング):専門家のサポートのもと、トラウマ記憶を整理し、少しずつ恐怖を和らげていく治療(持続エクスポージャー療法やEMDRなど)が行われます。
一番大切なのは、**「一人で抱え込まないこと」**です。まずは心療内科や精神科を受診し、専門家に辛さを吐き出してください。
5. PTSDを抱えながら「働く」ということ
「働きたいけれど、また職場で嫌なことがあったらどうしよう」
「フラッシュバックが起きたら迷惑をかけてしまう…」
PTSDの症状を抱えながらの就職活動や仕事は、大きな不安が伴いますよね。
そんな時は、一般企業へいきなり飛び込むのではなく、**「安心して働ける場所」**でリハビリを兼ねて働くという選択肢があります。
スマイルラボは、あなたの「安心」を最優先します
- 無理のないペースで:体調が優れない時や不安が強い時は、休憩したり、帰宅したりしても大丈夫です。
- 刺激の少ない環境:大きな声が飛び交うようなことはなく、穏やかな環境で作業に取り組めます。
- スタッフの理解:あなたの辛さを理解し、寄り添うスタッフが常駐しています。「今日は調子が悪い」と一言伝えられるだけで、心の負担は軽くなります。
Q.PTSDから、うつ病を発症し、精神障害者手帳を取得する例はありますか?

A.はい、結論から申し上げますと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や、それが原因で発症したうつ病で、障害者手帳を取得されるケースは非常に多くあります。
実際に、PTSD単独、あるいはうつ病との併発によって生活に支障が出ている場合、**「精神障害者保健福祉手帳」**の交付対象となります。
詳しく解説します。
1. 取得できる手帳の種類
PTSDやうつ病の場合に申請するのは、身体障害者手帳ではなく、**「精神障害者保健福祉手帳」**になります。
2. PTSDで手帳が取得できる理由
障害者手帳の認定基準において、PTSDは「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」というカテゴリーに含まれます。
単に「PTSDと診断された」ことだけで認定されるわけではありませんが、以下の状態であれば認定される可能性が高いです。
- PTSDの症状が重く、日常生活や社会生活(仕事など)に制限がある場合
- PTSDに加えて、うつ病やパニック障害などを併発している場合
特にPTSDの方は、長期的なストレスから二次的に「うつ病」を発症されることが多く、診断書には「PTSD、うつ病」の両方が記載されることも一般的です。これらが合わさって「働けない」「外出が怖い」といった状態にあれば、等級(1級〜3級)の判定を受けやすくなります。
3. 申請の際の重要なポイント(6ヶ月ルール)
これが一番の注意点です。
精神障害者保健福祉手帳を申請するには、**「その病気で初めて病院にかかった日(初診日)から、6ヶ月以上経過していること」**という条件があります。
- 例:1月1日に初めて心療内科に行った場合、手帳の申請ができるのは7月1日以降です。
PTSDは長期的な治療が必要になることが多いため、通院を始めて半年が経ち、それでも症状が辛い場合は、主治医に「手帳の申請を考えています」と相談してみることを強くお勧めします。
4. 取得するメリット
手帳を取得することで、以下のようなメリットがあります。
- 障害者雇用枠での就職が可能になる(就労継続支援A型などの利用もしやすくなります)
- 税金の控除(所得税・住民税などが安くなる)
- 公共施設の割引
- 公共交通機関の割引(※精神障害の手帳の場合、交通費割引は身体障害に比べて限定的ですが、地域によってはバスや電車の割引があります。大阪市にお住まいの方は、市営地下鉄について、1級は介護人付き無料乗車証、2級は単独(乗車)無料乗車証、3級は半額乗車証が交付されます。)
まとめ
PTSDによる苦しみは、目に見えなくても、生活を大きく制限するものです。
手帳の取得は、決して「障害者というレッテル」を貼るものではなく、**「辛い生活をサポートしてもらうための権利」**を得る手続きです。
もし現在通院中であれば、次回の診察時に「PTSDで手帳の申請は可能でしょうか?」と主治医に聞いてみてください。
また、手帳を取得した後、「障害者枠で無理なく働きたい」「リハビリをしたい」と思われた際は、私たちスマイルラボのような就労継続支援事業所がお力になれます。
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