「多動症」は大人になるとどう変わる？大人のADHDにおける多動性の特徴と対策
2025.11.13カテゴリー：ADHD,お役立ちコラム
「多動症」は大人になるとどう変わる？大人のADHDにおける多動性の特徴と対策
発達障害の一つであるADHD（注意欠如多動症）は、「不注意」「多動性」「衝動性」を主な特性とします。子どもの頃に「落ち着きがない」と指摘される多動性は、大人になるとその現れ方が変化することが多く、「多動症」という言葉からイメージされる姿とは異なる困難を生じさせます。
大人のADHD：「身体の多動」から「頭の中の多動」へ
子どもの頃、授業中に席を立ったり、走り回ったりといった「身体的な多動」が目立った場合でも、大人になるにつれて、社会的な学習や自己規制によって行動としての多動性は目立たなくなる傾向があります。
しかし、多動性の特性が完全に消えるわけではありません。そのエネルギーや落ち着きのなさは、しばしば内面的な形に姿を変えて現れます。
大人の多動性・衝動性の具体的な特徴
- 内的な多動（脳内多動）：
- 頭の中で絶え間なく考えが次々と浮かび、休まらない。
- 常にそわそわしている、落ち着かない、集中しづらい。
- 貧乏ゆすりや体を小刻みに揺らすといった、小さな動きとして現れる。
- 衝動的な行動・発言：
- 会議中や会話中に、相手の話を遮って話し始めてしまう。
- 考えるよりも先に言葉が出てしまい、失言や対人関係のトラブルにつながりやすい。
- 衝動買いや独断で重要な決定をしてしまうなど、後先考えない行動が多い。
- 待つことの苦手さ：
- 行列や順番を待つことが非常に苦痛で、そうした状況を避けたがる。
- 結論を急いだり、すぐに結果を求めたがる。
大人のADHDでは、この多動性・衝動性よりも**不注意（忘れ物、ケアレスミス、時間管理の苦手さなど）**の特性がより顕著に困りごととして現れることが一般的です。
多動性・衝動性への具体的な対処法
多動性や衝動性の特性によって仕事や日常生活で困難を感じている場合、環境の工夫や専門的な支援によって生きづらさを軽減できます。
1. 行動のコントロール（セルフモニタリング）⇒自分でできること。
- 「一呼吸置く」習慣： 衝動的に何かを言いそうになったり、行動に移しそうになったりした時、深呼吸やカウントダウンなどをして、冷静になるための短い時間を意図的に作る。
- メモを活用： 会議などで発言したくなったら、すぐに口に出さずにメモに書き留め、発言のタイミングが適切か確認する。
2. エネルギーの発散と集中環境の調整⇒周りの人ができること
- 運動を取り入れる： 適切な運動や趣味を通じて、余分なエネルギーを健康的に発散させる。
- 活動量の多い仕事： じっとしている必要のある仕事よりも、営業職や外回りなど、活動量が多く、変化に富む仕事の方が特性を活かせる場合がある。
- 集中できる環境： 周囲の刺激を遮るため、パーティションの活用や、可能な範囲で静かな場所で作業する。
3. 専門的なサポート
- 医療機関での相談： 精神科や心療内科を受診し、適切な診断を受ける。困りごとの程度によっては、薬物療法や認知行動療法が有効な選択肢となります。
- 支援機関の活用： 発達障害者支援センターなどで、特性への具体的な対処法や仕事のスキルを学ぶ**ソーシャルスキルトレーニング（SST）**を受ける。
大人のADHDの特性は、単なる「性格」や「だらしなさ」ではなく、脳の機能の特性です。特性を正しく理解し、自分に合った対策を見つけ、周囲のサポートを得ることで、より安定した生活を送ることが可能です。
どこに相談すればいい？
ADHDの相談ができる場所は、いくつかあります。
- 医療機関 ADHDなのか、他の障害、疾病によるものなのか、診断がつきます。ADHDだった場合、 精神科や心療内科では、治療、服薬に関する相談ができます。
- 発達障害者支援センター（大阪市の場合は平野区にあるエルムおおさか、堺市は堺市立健康福祉プラザ３階、その他の大阪府は大阪市中央区にあるアクト大阪）: 各都道府県、政令指定都市に設置されており、ADHDを含む発達障害のある方やご家族の相談を受け付けています。
スマイルラボは、あなたのADHDという特性を理解し、無理なく働ける場所を提供しています。あなたの「働きたい」という気持ちを大切に、一緒に解決策を探していきましょう。
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